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by math90
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京都の学習塾の事件について

あの痛ましい事件について、同業に携わる者として、事件直後より書かなければと思っていましたが、被害者のお嬢さんに近い年齢の娘を持つ親としては、あまりにショックが大きく、なかなか書けませんでした。

まずは、紗也乃さんのご冥福を、心よりお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆様に、謹んでお悔やみ申しあげます。


私の勤務している塾は、全国展開しているFCの個別指導です。講師は、ほとんどアルバイトの大学生です。小規模の教室ですが、教員資格を持っているのは私を含めて二人だけです。大学生には、古株のうるさいおばさんと思われているようですが、私の立場も同じアルバイトです。

アルバイトの講師に対しては、毎回の授業毎の教室長とのミーティングのほかに、年に3回、指導法などについての特別な講師研修会が開かれています。もちろん新規採用の講師に対しては、別途研修が行われます。

大学生の講師は、1~3年単位で入れ替わっていきますが、教員志望の大学生が多く、私の印象としては、どの大学生もまじめに頑張っており、生徒の要求によく応えていると思います。

ただ、大学生の講師は、意外と小中学生のことがわかっていないかもしれない、という印象はありました。たとえば、ゆとり教育の実態をよく知らなかったり、私のほうが、子供たちの流行などをよく知っていたりしました。

大学2年生以上は、小学校でのゆとり教育の経験がありませんし、彼らが小学生の時は、小学生が携帯電話を持っているような時代ではありませんでした。小学生の生活は、学校生活そのものから、空き時間の量、友人とのかかわり方、遊び方、言葉遣いに至るまで、ここ10年ほどで、激変しています。

この変化に、気づいてない大学生が多いかも知れません。

一般的に、大学時代は、同世代との交わりがほとんどの時代です。異なる世代との交わりが少ないので、他の世代を理解するためには、自らが積極的に動かないといけない ということを、まだ実感していない時期でもあろうかと思います。

塾関係者は、保護者も含め、大学生講師と生徒は年齢が近いので、それだけでお互いに分かり合えるだろうと、思い込んでいたような気がします。両者の間には、予想以上の行き違いが生じているのかもしれません。この点、再考していかなければならないと思います。


今回の事件では、犯人の人間性に最も問題があったのでしょうが、数回にわたりその危険信号がありながら、結果として、適切な対応が取れなかった塾に対し、同業者としては残念でなりません。

講師と生徒間のトラブルは当然あるものと認識し、それを未然に防ぐための危機管理を徹底しておくことは、子供たちをあずかっている企業にとって、最低の必要条件であることを、再確認しなければならないと思いました。
by math90 | 2005-12-15 12:18 | その他
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