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by math90
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直角三角形の「斜辺」

中学3年生の3学期に、三平方の定理 ~直角三角形において、直角をはさむ2辺の長さの二乗の和は斜辺の長さの二乗と同じである~ が登場します。

この定理を利用した基本問題は、直角三角形の2辺の長さから、他の1辺の長さを求めるという問題です。単に値を代入するだけという簡単な問題にもかかわらず、できない生徒や間違える生徒がでてきます。生徒たちは、ちょっと辺を間違えただけと言いますが、それを安易に見逃すことはできません。

生徒たちに「斜辺」をどのように探しているのかをたずねると、「一番長い辺」、「斜めのところ」などという答えが返ってきます。確かに、直角三角形の斜辺は一番長い辺ですが、数学の問題では必ずしも図が正確に描かれているとは限らないので、長さを基準に判断することできません。また、下図のように、斜辺を底辺にして直角三角形が描いてあると、斜めのところが斜辺ではなくなってしまいます。
直角三角形の「斜辺」_e0017757_0145750.jpg

多くの生徒が、「直角三角形の斜辺はどこ?」という問いには答えられても、「直角三角形の斜辺って何?」という問いには、正確に答えられません。つまり、彼らは、直角三角形の「斜辺」の「定義」が分かっていないのです。

直角三角形の「斜辺」とは、「直角の対辺」と定義されています。三角形の中で、一つの角が直角という特別な三角形の、特別な部分に着目して「斜辺」は定義されているのです。

三平方の定理については、最近では、等積変換での証明を画像により視覚的に見せてくれる教材があったり、生徒自ら折り紙を使って証明を確認できたりと、楽しく理解できる定理としてクローズアップされています。

けれども、定理の内容を正確に把握するためにも、まず定理に使われている用語の定義をキチンと確認することは、数学では基本の基本であることも、忘れないでほしいと思っています。



                                    
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by math90 | 2006-02-12 23:24 | 中学校の数学
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