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割合の定義と式の意味
次に、「割合」の定義の式の意味を考えてみます。 (割合)=(比べる量)÷(もとにする量) この式の意味は、「ある量をもとにすると、比べられる量は、もとにする量の何倍か」ということです。「何倍か」を求めるので「割り算」で考えるというわけです。「倍」の考え方で「割合」を捉えるということを、まずしっかり理解してほしいと思います。 とはいえ、特に5年生で扱う割合は、もとにする量が全体、比べる量が部分という場合(割合が1以下)が多く、「割合」は単なる「1以下の小数倍」と思っている子供も多いです。 従って、割合の「もとにする量を1とみている」考え方と、単なる「小数倍」とは違うことを強調しなければなりません。比の考え方が未習の子供達にとっては、「もとにする量(1でない)」を「1とみるということ」自体が難しいと思います。もとにする量と比べる量が同じときの割合が1になることから、「割合はもとにする量を1とみている」と説明すると、少しは理解しやすいようです。 「もとにする量を1とみる」という見方を、さらに意識するために、ある2つの数値A、Bにたいして、Aをもとにする量のときの割合と、Bをもとにする量のときの割合を比較してみるのもよいと思います。A>Bのとき、前者の割合は1より小さくなり、後者の割合は1より大きくなることがわかります。 また、割合が同じということは、どのような意味を表すのかを考えることも大切と思います。たとえば、10回のシュートで3回ゴールできる割合と、30回のシュートで9回ゴールできる割合は同じになることなど、同じ割合の状況はたくさんあることを理解してほしいと思います。 割合は、比、公倍数、分数の通分、比例などの考え方も含んでいるので難しく、小学校では段階的に指導の範囲を広げていきます。そして、6年生終了まで割合の学習は続きます。家庭や塾で指導するときに、子供達を混乱させないために、未習の部分、既習の部分をよく理解し、学校の指導段階にあわせるよう注意が必要と思っています。
by math90
| 2006-04-18 12:36
| 割合
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