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小数の足し算、引き算
ここ数年、6年生の子ども達に気になることがあります。小数の足し算・引き算が苦手なことです。小数の足し算・引き算は、小学校4年生で学習します。ところが、このとき小数第1位の小数までしか扱いません。 1.62+2.2=3.82 などの計算は、発展的な学習とされているため、すべての生徒が学習しているとは限りません。 教科書や準拠のドリルには 3.5+1.7=5.2 のような小数第1位同士の計算が多く、 2+0.3=2.3 のように桁が揃っていない計算は、それほど多くはありません。 従って、小数の足し算・引き算は、小数点を揃えるということを、強く意識するまでには至らず終了してしまいます。算数の授業の絶対時間が少ないので、仕方がありません。 小数点を揃えることを意識するのに、小数の足し算・引き算の筆算(縦の計算)がとても有効です。ところが、もともと筆算もあまり扱わない上に、多くの問題が、すでに小数点を揃えた筆算の形で与えられるので、ここでも、自分で意識して小数点を揃える経験が十分にできません。 さらに、翌年の5年生では、「小数の掛け算・割り算は最後の桁を揃える」ということを、ここでは徹底的に学習してくるので、多くの子どもたちは、6年生で改めて小数の足し算・引き算をさせると、 6年生で、入塾してくる生徒は、すでに算数が分からなくなってしまった生徒ばかりではありません。最近では、中学受験はしないものの、中学校を見据えて、6年生から入塾してくる生徒も多くいます。彼らは、学校では算数が苦手というわけではないそうです。そのような生徒の中にも、この小数点を揃えることがあやういという状況がみられます。 中学以降の数学では、小数は分数に直してから計算することが多いため、実は、この現象は、表には現れることはほとんどありません。この現象に出会うのは、中学・高校の理科の先生のみかもしれません。「理科離れ」をさらに推し進めてしまう遠因になるのではないかと危惧されます。 最近では、発展的学習もすこしずつ取り込まれるようになっているようで、今後には期待できますが、すでに現在、高学年や中学校の生徒たちの小数の計算には、十分な注意が必要であると思います。 関連内容はコチラ ⇒ 筆算、分数計算
by math90
| 2006-05-17 23:05
| 小学校の算数
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