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by math90
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正の数・負の数 

新学期も始まって、やっと新しい学年も落ち着いてきました。

つい先日まで小学校の体操服で塾に来ていた旧6年生の子どもたちも、中学1年生として、初めての定期考査に挑みます。がんばれ!

中学数学ではじめの難関は正の数・負の数です。正の数・負の数の演算をすんなり受け入れることができれば、まず中学数学のファースト・ステージをクリアしたといっても過言ではありません。ここは慎重に扱いたいところと思います。

中学の教科書では、まず正の数・負の数を「反対の性質をもつと考えられる量」「基準とした量からの増減や過不足」として扱います。まだ、この段階では、それほどわかりにくくありませんが、この後「絶対値」が登場すると一気に分からなくなるようです。

教科書や参考書には、正の数・負の数の足し算を、絶対値を使って、
   同符号の2数の和 → 符号は共通の符号
                  絶対値は2数の絶対値の和
   異符号の2数の和 → 符号は絶対値の大きいほうの符号
                  絶対値は2数の絶対値の差
などと説明してあります。この説明はわかりにくく、かえって訳がわからなくなりそうです。3数の和のときは、いったいどうしたらよいのでしょう。

さらに引き算は、
   2数の差 → 引く数の符号を変えて、足し算に直す
と言われても、戸惑うことが多いかと思います。


正の数・負の数の足し算・引き算で、まず大切なことは、-と+の記号が、数字の符号(プラス、マイナス)なのか、演算(足し算、引き算)なのかを、意識することと思います。
   (-3)+(+6) → マイナス3 たす プラス6
   (+8)-(-4) → プラス8  ひく マイナス4
と、読むとよいと思います。

その上で、数直線で考えるのが有効でしょう。

はじめの数値が始点、演算が数直線上の移動、終点が答えと捉えます。そして、数直線では、向き移動の仕方に着目します。
   足し算 → 正の方(右)に向く
   引き算 → 負の方(左)に向く
   プラス → 前に移動する
   マイナス → 後ろに移動する

という意味になります。

これで考えると
 
   +(+1)→ 正の方向を向いて前に1移動する
           つまり「正の方向(右)に1移動する」

   +(-1)→ 正の方向を向いて後ろに1移動する。
           つまり「負の方向(左)に1移動する」

   -(+1)→ 負の方向を向いて前に1移動する
           つまり「負の方向(左)に1移動する」

   -(-1)→ 負の方向を向いて後ろに1移動する
           つまり「正の方向(右)に1移動する」

となり、
   +(+1)= +1
   +(-1)= -1
   -(+1)= -1
   -(-1)= +1
とまとめることができます。これなら、3数以上の足し算・引き算にも対応できると思います。
 

慣れるまでは、実際に数直線を書いて、その上をフィギュアでも使って移動させてみたり、床に数直線を想定して、自ら、「あちらを向いて前に一歩、反対を向いて後ろに一歩」と歩いてみたりするのもよいと思います。





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# by math90 | 2006-05-13 00:31 | 中学校の数学
受験当日
受験当日_e0017757_1917183.jpg

ロジックは数字から絵が書けるパズルです。

上のロジックは、「スーパーペイントロジック」(アイア出版)という雑誌の第4号にアマラ&カマラさんが「ラストサムライ」と題して出題されていた問題です。

この雑誌の解答は3択。けれども、前号の出題状況からほとんど解答の予想がつきます。「ラストサムライ」の問題の解答は
  ① 石川五右衛門(ルパン3世)
  ② 緋村剣心(るろうに剣心)
  ③ 黒崎一護(BLEACH)
からの3択でしたが、これは剣心だろうと思っていました。剣心かぁ、渋くてカッコイイなぁー。あの頃のジャンプは良かったなぁー、最近のジャンプはどうもねぇ・・・などと思いながら、どのような絵になるのか楽しみにしつつ、スタートしました。

2006年2月25日(土)、東京、某ホテル。
大学入試前期試験1日目に向かう息子を、ホテルから見送った後でした。


子育ての中で、「親がどこまで手をだすか」は常に私のなかでの大きなテーマとなっていました。大学入試に同伴するかどうかも、いろいろ悩みました。受験手続に関する一切は本人にやらせましたが、やはり当日だけは、心配なので同伴しました。

「一人でも大丈夫。よい経験になる。」という主人の言葉通り、特に問題もなく受験会場に向かう息子をみて、やはり来る必要はなかったかなぁと思いつつ、なにか落ち着かない中で、色鉛筆を片手にホテルで待機していました。


・・・とほどなく、大変なことに気づきました。

ん? ちょっと待って。ちょっと待って!
緋村剣心って、もしかして、
ろ、ろ、ろうにん、浪人? じゃなかったかしら?・・・
うそぉ――!
そ、それは、ダ、ダメ、ダメ、ダメでしょ――

あわてて、このロジックをバッグの奥底にしまいこみました。


あれから、2ヶ月。やっと仕上げることができました。
お、おぉー、やっぱり剣心、カッコイイ!! 




 
# by math90 | 2006-05-01 19:25 | その他
割合の定理

「割合」の定義が理解できたら、割合の概念にどんどん触れることが大切と思います。「絶対的な数値」を「割合」という「相対的な数値」に置き換えると、どのようなことが言えるのかを実感することです。

  (比べる量)=(もとにする量)×(割合)
  (もとにする量)=(比べる量)÷(割合)

この2式は、
「ある量をもとにすると、もう一方の量は、もとにする量の何倍かを考える」
という定義から、子供達には、下図のような関係が、直感的にわかると思います。
割合の定理_e0017757_1459293.jpg

したがって、これらの2式は、「もとにする量と比べる量と割合の3者間の関係を示す定理」ということになると思います。

定理とは、以前「新しい概念を学習するとき」で述べたように、使うことが目的です。使うことによって何かをつかむことができるからです。

割合の2式も同様で、この2式に数値を当てはめることにとり、
  ・量には、もとにする量と比べられる量があること。
  ・同じ割合でも、もとにする量が違うと比べる量も違ってくること。
  ・部分と割合から全体が求められること。
  ・同じ比べる量でも、もとにする量が変わると割合が変わること。
などを、具体的な数字として体感していくことができます。そして、それを繰返すことによって、「割合」という概念をより理解していけるものと思います。



小学校の割合の学習において、

  (割合)=(比べる量)÷(もとにする量)
  (比べる量)=(もとにする量)×(割合)
  (もとにする量)=(比べる量)÷(割合)

この言葉の式は、分かりにくいとか、言葉の式に数字を当てはめるだけの学習などと、評判がよくありません。けれども、これらの言葉の式の意味を理解し、使うことによって、新しい何かをつかむのだ、ということを意識した指導であれば、思考の伴わない単なるパターン学習ということにはならないと思います。
# by math90 | 2006-04-30 14:58 | 割合
割合の定義と1あたりの量

割合の定義を「1あたりの量」とする見方もあります。

しかし、 「ある量をもとにすると、比べられる量は、もとにする量の何倍か」という考え方と、「1あたりの量」の考え方は、割り算の意味が違うので、理解しにくいようです。さらに、「1あたりの量」を求めるときに、なぜ割り算を使うのかが、分からない子供も多いです。

割り算の意味には、2種類あると指導されます。

<例題1>
「ケーキが12個ありました。4人で分けると1人分は何個になるでしょう。」
    12÷4=3

<例題2>
「ケーキが12個ありました。3個ずつ分けると何人に分けられるでしょう。」
    12÷3=4

例題1のような割り算を等分除、例題2のような割り算を包含除と呼ばれています。子供達はおはじきなどを利用し、下記のような「分け方の違い」に着目し割り算の学習をします。

割合の定義と1あたりの量_e0017757_23363945.jpg

割り算の意味として、「倍」は包含除の考え方で、「1あたりの量」は等分除の考え方になります。このような違いから、「倍」で捉えている「割合」を「1あたり量」に発展させるのは、簡単ではありません。

割り算は小学校3年生で学習しますが、上記のように、「分け方」の違いへの着目が中心となり、割ったあとの「商の意味」にはほとんど着目されません。この時点では、子供達に九九を利用して割り算をさせること、掛け算と割り算の関係を理解させることで精一杯なので、「商の意味」まではなかなか行き着かないようです。

それゆえ、等分除の商こそが、「1人分」、つまり「1あたりの量」になっているのですが、それを理解しないままの子供も多いのだと思います。

割合の学習を始めるまえには、「『割り算』というのは、1あたりの量を求めること」と、割り算の意味をもう一度確認することが大切であると思います。
# by math90 | 2006-04-20 23:24 | 割合
割合の定義と式の意味

次に、「割合」の定義の式の意味を考えてみます。

(割合)=(比べる量)÷(もとにする量) 

この式の意味は、「ある量をもとにすると、比べられる量は、もとにする量の何倍か」ということです。「何倍か」を求めるので「割り算」で考えるというわけです。「倍」の考え方で「割合」を捉えるということを、まずしっかり理解してほしいと思います。

とはいえ、特に5年生で扱う割合は、もとにする量が全体、比べる量が部分という場合(割合が1以下)が多く、「割合」は単なる「1以下の小数倍」と思っている子供も多いです。

従って、割合の「もとにする量を1とみている」考え方と、単なる「小数倍」とは違うことを強調しなければなりません。比の考え方が未習の子供達にとっては、「もとにする量(1でない)」を「1とみるということ」自体が難しいと思います。もとにする量と比べる量が同じときの割合が1になることから、「割合はもとにする量を1とみている」と説明すると、少しは理解しやすいようです。

「もとにする量を1とみる」という見方を、さらに意識するために、ある2つの数値A、Bにたいして、Aをもとにする量のときの割合と、Bをもとにする量のときの割合を比較してみるのもよいと思います。A>Bのとき、前者の割合は1より小さくなり、後者の割合は1より大きくなることがわかります。

また、割合が同じということは、どのような意味を表すのかを考えることも大切と思います。たとえば、10回のシュートで3回ゴールできる割合と、30回のシュートで9回ゴールできる割合は同じになることなど、同じ割合の状況はたくさんあることを理解してほしいと思います。


割合は、比、公倍数、分数の通分、比例などの考え方も含んでいるので難しく、小学校では段階的に指導の範囲を広げていきます。そして、6年生終了まで割合の学習は続きます。家庭や塾で指導するときに、子供達を混乱させないために、未習の部分、既習の部分をよく理解し、学校の指導段階にあわせるよう注意が必要と思っています。
# by math90 | 2006-04-18 12:36 | 割合